日本バングラデシュ協会 メール・マガジン(139)2025年5月号 巻頭言:『最近の日本バングラデシュ関係と日本バングラデシュ協会の活動』 日本バングラデシュ協会会長 渡邉 正人
■目次
■1)巻頭言:『最近の日本バングラデシュ関係と日本バングラデシュ協会の活動』
日本バングラデシュ協会会長
渡邉 正人
■2)寄稿:『ダッカ日本人学校勤務が人生に与えてくれたもの』
元ダッカ日本人学校 教師
[派遣期間:平成元(1989)年4月~平成4(1992)年3月]
矢口 元晴
■3)シリーズJICA 第6回:『バングラデシュとJICA ~友情の架け橋、協力隊~』
JICAバングラデシュ事務所
所員 池田 敬
■4)寄稿:『在日ムスリムの直面する困難
——在日ムスリムの土葬と多文化共生に関する考察——
東京大学大学院総合文化研究科多文化共生統合人間学プログラム修了
ラフマンヌール 瑠美花
■5)寄稿『ボイシャキ・メラに参加して』
日本バングラデシュ協会理事
安達 淳哉
■6)『事務連絡』
■7)『読者のひろば』
・メルマガ4月号の各寄稿への読者の感想をご紹介します。
・メルマガ寄稿への感想ほか、お気づきの点など、なんでもお寄せ下さい。
■8)『編集後記』
■1)巻頭言:『最近の日本バングラデシュ関係と日本バングラデシュ協会の活動』
日本バングラデシュ協会会長
渡邉正人
【バングラデシュ投資セミナーと日バ協会企業情報交換会の開催】
昨年 8 月の政変以降のバングラデシュの国内情勢は、時折デモはあるもののおおむね安定が保たれ治安が維持されていると見られております。昨年 12 月末には日本の外務省がダッカを含む現地の危険度レベルを政変前のレベルに引き下げたことから、年明け以降はビジネスその他の目的でダッカを訪問する日本の皆さんが徐々に増えているようです。
2 月 18 日、都内のホテルにおいて JETRO 及び JICA 共催によりバングラデシュ投資セミナーが開催されました。企業関係者約 300 人が集まり会場は熱気に包まれテレビのニュースでも紹介されました。日本企業のバングラデシュへの関心の高さが政変後も維持されているようです。セミナーでは、ダッカから来訪したシェイク・ボシール・ウッディン商務省顧問(閣僚級)及びアシュク・チョードリ投資開発庁(BIDA)長官が、モハマド・ユヌス首席顧問率いる暫定政権が進める経済分野を中心とした諸改革や現地のビジネス環境についてプレゼンを行いました。セミナーの直後には、日バ協会の役員がウッディン商務省顧問と面談し、日本企業が直面する課題、IT、建設等分野でのバングラデシュ人材の日本国内での活用の可能性、ロヒンギャ難民問題など幅広いテーマに関して意見交換を行いました。
なお、上記の投資セミナーに先立つ 2 月 2 日から 6 日にかけて、ダッカにおいて日・バングラデシュ経済連携協定(EPA)交渉第 4 回会合が開催され、さらに 4 月 21 日から 26 日にかけて東京において第 5 回会合が開催されました。これら会合では、両国政府の専門家の間で物品貿易、原産地規則、税関手続き及び貿易円滑化、サービス貿易、投資、電子商取引、知的財産等の各分野について活発な議論が行われました。EPA 交渉は政変前の昨年 5 月に第1回交渉が開始されて以降、暫定政権の下でも交渉が継続中です。
3 月 12 日には日バ協会の企業委員会が主催する第 35 回企業情報交換会が開催されました。参加者を日バ協会の法人会員に限定した定例の会合です。この会合では、経済産業者、JETRO などからの報告に加えて、用務帰国中の齊田伸一大使から駐在大使ならではの分析や見方をご披露いただき、その後の法人会員との懇談会にもご参加いただきました。次回の第 36 回企業情報交換会は 6 月 17 日(火)に開催されます。プログラムを含む申込方法は後日法人会員の皆様宛に送付します。
【第 6 回日バ官民合同経済対話とモハマド・ユヌス首席顧問訪日への期待】
4 月 23 日、東京において第 6 回日バ官民合同経済対話が開催されました。2014 年の両国首脳の相互訪問以降、日バ両国間の経済ビジネス分野における最も重要な枠組みとして維持されてきた経済対話です。この経済対話には、日バ協会副会長の神山秀夫事務局長、平石公宣理事兼企業委員長他企業委員会担当理事が対面及びオンラインにて出席しました。
従来から日バ協会の企業委員会は、年 4 回開催する企業情報交換会の活動を通じ、現地において税・関税、金融、労働を含む様々な困難や課題に直面する日本企業の生の声を吸い上げ、経済産業省に伝達することを通じて日バ官民合同経済対話に積極的に協力してまいりました。今後ともその取り組みを継続してまいります。
バングラデシュについてはビジネス環境の改善という課題に加えて、4 月初頭にトランプ米国大統領が発表した「相互関税」が発動される場合にバングラデシュ経済に如何なる影響が及ぶのか、昨年 8 月の政変後不安定な状況にあるインドとの関係がどのように展開していくのかなど注目される点があります。「相互関税」が米国側の発表通りに発動されればバングラデシュから米国への輸入品には 37%の関税が課されます。先日、5 月 29 日、30 日に日本経済新聞社が主催する「日経フォーラム アジアの未来」出席のためにモハマド・ユヌス首席顧問が来日するとの発表がありました。日本としてバングラデシュとの関係を更に発展させる好機となるよう期待したいと思います。
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