日本バングラデシュ協会 メール・マガジン105号(2022年9月号)巻頭言:『令和4年度春叙勲について(バングラデシュ人受賞者のご紹介)』 会長 渡邊正人

日本バングラデシュ協会の皆様へ 
■目次  
■1)巻頭言:『令和4年度春叙勲について(バングラデシュ人受賞者のご紹介)』
                                  会長 渡邊正人
■2)寄稿:『手を差し伸べるから「手をつなぐ」関係への道のり(前編)』
     -NGO/NPOシリーズ-
                                   バングラデシュと手をつなぐ会
                                   事務局スタッフ
                                   山田英行
■3)理事紹介:『ベンガル語:丹羽京子さん(第1回)』
                                   ―白水社 外国文学翻訳者インタビュー-
■4)理事寄稿:『株式会社キャット、銀座学、そして日バ協会』                
                                   財経委員長 佐藤厚行
■5)イベント、講演会 
■6)事務連絡
■7)読者のひろば
・メルマガ8月号各寄稿への読者の感想をご紹介します。
・メルマガ寄稿への感想ほか、お気づきの点など、なんでもお寄せ下さい。
■8)編集後記

■1)巻頭言:『令和4年度春叙勲について(バングラデシュ人受賞者のご紹介)』
                                   会長 渡邊正人

4月29日、令和4年度春叙勲の対象者として、3名のバングラデシュ人受賞者が公表されました。遅ればせながら、ご功績をご紹介し祝意を表したいと思います。私がダッカに勤務していたのは2015年から2017年ですので、以下はその頃に経験したことが中心になることをご容赦願います。

1. ムハンマド・アブル・カラム・アザド氏(旭日重光章)
アザド氏は、最近まで、バングラデシュ首相府「持続可能な開発目標/SDGs」首席調整官(政府SDGs特使)として国際的な活動に従事しておりました。
日本とバングラデシュの首相の相互訪問が実現した2014年の8月、両国間の官民合同経済対話第1回会合がダッカにおいて開催されました。アザド氏は、当時、首相府筆頭次官の立場からこの会合に臨みました。
 この枠組みは、バングラデシュの産業多角化・輸出競争力強化、電力エネルギー、税・金融、ビジネス投資環境改善、経済特区・インフラ等を話し合う場として現在も機能し続けております。アザド氏は2019年までこの枠組みのバ側代表の重責を担いました。日本側は、朝田照男日バ経済委員会委員長(現丸紅株式会社名誉理事、日バ協会名誉会長)、歴代の経済産業省審議官他の官民関係者が主要メンバーです。
 アザド氏とは、現地日本商工会の皆様が参加する官民会合の場において、幾度か意見交換を行う機会がありました。普段は柔和で温厚なお人柄ですが、バ側の各省庁代表の説明や応答でも納得がいかない場合にはその旨指摘するなどフェアな人物であるとの印象を受けました。
マタバリ港開発事業、ダッカ国際空港拡張事業、日本企業が直面する税問題のような事案において、政府内の調整を促す必要を感じた時には、アザド氏を訪問し協力を仰ぐことがしばしばありました。2016年7月の痛ましいテロ事件後、ハシナ首相直々の指示を受け、在留邦人、日系企業及び日本のODA事業関係者の安全確保に関し、最優先で取り組むよう、内務省、警察他治安機関への連絡調整を徹底してくれたのもアザド氏でした。
 旭日重光章は宮中において総理大臣より受賞者に伝達される勲章です。5月10日の伝達式の翌日、アザド氏とご縁のあった数名の方々と共に、ささやかな席でアザド氏と懇談しました。席上、同氏は、宮中での伝達式の様子やバングラデシュの近況を紹介してくれましたが、そのあと、少年時代から携わるバングラデシュの(ボーイ)スカウト運動について熱く語ってくれたのが印象的でした。アザド氏はバングラデシュ・スカウト連盟理事長です。

2. アブドゥル・ホック氏(旭日小綬章)
現在、ホックズ・ベイ・オートモバイル社の役員(Managing Director)の立場にあるホック氏は、2008年から2010年まで、日本バングラデシュ商工会議所(JBCCI)の会長として、現地における日本企業とバングラデシュ企業との交流の促進に貢献しました。同氏は2004年設立のJBCCIの創設者の1人であり、会長を退いた後もJBCCIの役員・顧問として、バングラデシュ進出を目指す日本企業に協力し、日本企業が直面する諸課題の解決に尽力しました。
会員の皆様の中にもホック氏と交流のあった方々がおられると思います。私も、JBCCI主催の会合を含め様々な行事でホック氏とお目にかかる機会がありましたが、気さくなお人柄の同氏は、ダッカ駐在のビジネス関係者の間に日本人のように溶け込み、厚い信頼を得ている様子を感じました。

3. ムハンマド・エクラスール・ラーマン氏(旭日双光章)
ダッカでの勤務・居住経験のある皆様の間では知らない方がいないほど有名な山形ダッカ友好総合病院院長のラーマン先生です。
ラーマン先生は、日本の国費留学生制度の下、1996年に山形大学から整形外科の博士号を取得しております。その後の日本国内における病院勤務を通じ、バングラデシュにおいて日本式の病院を導入したいとの熱い思いから、現在の山形ダッカ友好総合病院を開設しました。 
ラーマン先生及び同病院の医療スタッフの献身的な取り組みにより救われたという皆様は多いと思います。当時は青年海外協力隊員の集まりで良くお見掛けしましたが、現場で活動する日本の援助関係者もお世話になっていると思います。日本とバングラデシュとの間の医療分野での協力を検討するに際し、両国の医療制度の違いを熟知するラーマン先生から貴重な助言をいただいたこともありました。

在バングラデシュ日本大使館の発表資料は以下からご覧になれます。
https://www.bd.emb-japan.go.jp/itpr_en/PR20220105.html

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