日本バングラデシュ協会 メール・マガジン123号(2024年1月号)巻頭言:『日本にとり身近になったバングラデシュ』 会長 渡辺正人

日本バングラデシュ協会の皆様へ

日本バングラデシュ協会メルマガ123号(2024年1月号)を送付します。

■目次
■1)巻頭言:『日本にとり身近になったバングラデシュ』
                       会長 渡辺正人
■2)『JBS New Year Message 2024』
                       在京バングラデシュ大使館 大使
                       Ambassador Shahabuddin Ahmed

■3)シリーズJICA『第2回:バングラデシュとJICA』
~地方の行政サービス改善に向けて~
                       JICAバングラデシュ事務所
                       所員 黒神みなみ

■4)会員寄稿:『 ショトジット・ラエ もう一つの顔』
~カメラを置いて ~
                       東海学園大学名誉教授
                       森本素世子

■5)講演会・イベント

■6)事務連絡

■7)『読者のひろば』
・メルマガ12月号の各寄稿への読者の感想をご紹介します。
・メルマガ寄稿への感想ほか、お気づきの点など、なんでもお寄せ下さい。

■8)編集後記

■1)巻頭言:『日本にとり身近になったバングラデシュ』
                       会長 渡辺正人

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
2023年は、日本とバングラデシュとの関係にとりましても、バングラデシュの発展にとりましても意義深い一年であったと実感します。4月のハシナ首相の日本公式訪問に象徴されますが、コロナ禍で停滞していた人々の往来は以前の状態に戻りました。9月以降は週3便ですけれども直行便が運航しておりますので、バングラデシュが身近になったと感じられる方々も増えていくのではないかと思います。

【経済ビジネス分野における交流拡大への期待と課題】

日バ協会の企業委員会は、12月6日、ジェトロ及びJICAの後援を得て、第30回企業情報交換会を開催しました。朝田照男名誉会長には、企業情報交換会及び引き続き開催された名刺交換会兼懇親会においてご挨拶をいただきました。名刺交換会兼懇親会では前バングラデシュ大使の伊藤直樹特命全権大使(広報外交担当兼国際保健担当、メコン協力担当)にもご挨拶をいただきました。
2016年以降、年4回、コロナ禍でも休むことなく開催されてきた企業情報交換会ですが、12月6日は第30回という節目の会合となりました。毎年12月の会合には法人会員の勧誘も兼ねて非会員の企業・団体にも参加を呼び掛けておりますが、今回は今までにない規模の会合となり会場は熱気に包まれました。バングラデシュに対する日本企業の関心の高まりに加え、日本にいながらバングラデシュに関する最新の経済ビジネス情報を得られる場としての企業情報交換会の重要性が浸透している証です。
直近のインフレ等の影響には注意が必要ですが、過去10年以上に亘りバングラデシュのGDPは右肩上がりの軌道を描いております。1人当たり名目GDPの数値はインドと同レベルであり、約10年前のベトナムと同じ水準です。内需拡大への期待も膨らんでおります。様々な課題を抱える現地のビジネス環境ですが、日本政府と企業との連携を強めて課題の解決に当たって行くことが益々重要となっております。その結節点として企業情報交換会に期待される役割は大きいと思います。

【第30回企業情報交換会のプログラム】
企業情報交換会の講師及びパネリストの皆様の発言は示唆に富み印象深い内容でした。以下にプログラムを共有します。
開会挨拶 渡辺正人 日バ協会会長
安藤裕二 JETROダッカ事務所長「バングラデシュの現地情報」
伊藤晃之 JICA南アジア部長「JICAによる産業基盤強化・産業人材育成支援」
古賀大幹 (株)双日総合研究所官民連携室副主任
「世界の潮流とバングラデシュ~新たな課題とチャンス~」
常葉光郎 経済産業省大臣官房審議官
「バ国進出企業・経産省定例経済対話:さらに強固な日バ関係へ
~2023年の締めくくりと2024年の展望~」
パネル討論会「バングラデシュにおける事業展開の課題」
モデレーター 平石公宣 日バ協会理事兼企業委員長、丸久(株)社長
パネリスト  安藤裕二 JETROダッカ事務所長
河合光 丸紅(株)インフラプロジェクト本部本部長補佐
タリク・ラフィ・ブイヤンNew Vision Solution Ltd 社長
アンジャン・ダス日バ協会理事、カイコム・ソリューションズ・ジャパン社長
ご挨拶 朝田照男 日バ協会名誉会長
閉会挨拶 神山秀夫 日バ協会副会長

【インド太平洋協力におけるバングラデシュの重要性】
最近、バングラデシュの重要性はベンガル湾を超えてインド太平洋という広い文脈で語られるようになりました。10月以降の中東危機に象徴されるような国際情勢の激動化を踏まえ、国立大学法人政策研究大学院大学の「インド太平洋協力研究会」は、「グローバルな危機の中でのインド太平洋の国際秩序の安定と国際協力の推進に向けて」と題する政策提言を纏め11月21日に総理官邸及び外務省に提出しました(提言は外務省及び政策研究大学院大学のホームページからご覧になれます)。
この提言は、①国際社会において存在感を高める新興国、途上国との関係強化を目指す日本ならではのグローバルサウス外交の重要性、②グローバスサウスのリーダー格を自任するインド、世界最大のムスリム人口を擁しアセアン域内で影響力を強めるインドネシア及び日本の3者による対話の枠組みの創設に向けた構想、③インド太平洋における文化的・人的・知的交流の強化に関する提案、などを内容としております。同提言には、バングラデシュを含む南アジア地域と日本との協力関係は、日本とアセアンとの関係との比較において、更に開拓すべき余地があるとの趣旨の記載があり、南アジア地域との交流を強化する必要性を示唆しております。
4月のハシナ首相訪日時の日バ首脳会談において、両国関係を戦略的なパ―トナシップの関係として発展させることが合意されました。2024年は年頭に国際的にも注目されている議会選挙がありその行方には注意が必要ですが、両国間の交流が活発化し、名実ともに戦略的パ―トナシップに相応しい関係に発展して行く一年になるよう祈願し、新年のご挨拶とさせていただきます。

関連リンク
外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_001625.html
政策研究大学院大学・政策研究院「インド太平洋協力研究会」:
インド太平洋協力に関する日本政府への政策提言について | 政策研究大学院大学(GRIPS)

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